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一覧へ戻るワクチンでインフルエンザに3~10倍罹りにくくなる
インフルエンザは世界最恐のウイルス
医療者にとっては、10月からの半年間はインフルエンザとの戦いの時間と言っても過言ではないでしょう。
現代にあってもインフルエンザは紛れもなく最も恐ろしく、最もやっかいな感染症のひとつです。
全世界では毎年500万人ほどがインフルエンザに罹り、統計的にはなんとそのうち10人に1人が亡くなっているのです。
日本でもつい60-70年程前までは、インフルエンザにより家族全員が亡くなった、村一つが消滅したというようなことも珍しくはなかったと文献には記録されています。
ワクチンは医学史上最高の発明
予防接種=ワクチンは、インスリンや抗生物質と並んで医学三大発明の1つと言われており、人類と感染症との戦いに計り知れない程の貢献をもたらしました。
現在、まだ多くのウイルスに対する治療薬は未開発のままで、ワクチンによる感染予防だけが唯一の対抗手段だと言えます。 ワクチンの原理は、ウイルスの体の一部だけを注射することで、人体にそれが敵であることを覚えさせる仕組みです。
これを免疫と呼びますが、極めて強い抵抗力を発揮することが分かっています。
ワクチンは本当に効くの?
ごく簡単な数字で表すと、インフルエンザワクチンの効果は「本来インフルエンザに罹る確率を100とすると、それを10-30に下げる(相対危険度0.1-0.3)」ということが統計的に分かっています。インフルエンザに罹る確率(=リスク)は人それぞれで年齢や持病、環境によって異なります。
持病のある人、高齢者、そして若い人でも接客業や人が集まる場所での勤務、集団で作業をする職場などで働く人たちはリスクが高いので、ワクチンの恩恵がより大きくなると言うことができます。
日本は先進国では珍しく、ワクチンがうまく普及していない国です。
実際に患者さんからよく聞かれる話としては「私はインフルエンザに罹ったことがないからワクチンはいらない」「どうせワクチンをしても罹るかもしれないからいらない」といったものがあります。
医学がすべて確率論から成り立っていることを知っていればこれらは的はずれな解釈だと分かるのですが、この不確実性によってワクチンの有用性が今いちピンとこないものになっているということも事実なのでしょう。このような背景もあり、私はいつも次のように確率の数字を用いてワクチンの効果を説明するようにしています。

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内藤 祥東京ビジネスクリニック院長 北里大学医学部卒(M.D.) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒(MBA) 沖縄県立中部病院で救急医療をトレーニング 沖縄県立西表西部診療所で離島医療を実践 専門は総合診療


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