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2016.07.14健康術

「打たれ強さ」の科学 ~レジリエンス入門②~

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前回に引き続き、ビジネスシーンにおいて「折れない心」を発揮し、心理的ダメージがあってもすみやかに回復するための概念「レジリエンス」についてお話させていただきます。


失敗との向き合い方について

今回は実践編です。 どうやったら日頃の業務の中で「レジリエンス」を発揮できるのでしょうか。仕事でミスをしてしまった時のことを考えてみましょう。


失敗には以下の3種類に分類されます。


①予防可能な失敗…簡単な仕組みですぐに予防できるもの。当然少ないほうが良い。

②複雑な失敗…複雑なシステムやプロセスの中での失敗。予測しづらく避けにくいが、なるべく早期に処理できるような仕組みが重要。

③知的な失敗…イノベーションの源泉になるような価値のある失敗。積極的な学習の機会とすべし。


失敗経験をしたら、まずは冷静にこれら3つのうちどれに当たる失敗であったかを分析します。 それが①予防可能な失敗であれば、謙虚にミスを認め、原因を究明し予防策を粛々とブラッシュアップすることに努めましょう。

それが②や③であれば、不必要に自責の念にかられる必要はないでしょう。とくに③に関しては、投資的な意味合いが強いため、組織としては積極的に強化していくべきです。 レジリエンスのある人は「知的な失敗」を怖れません。むしろ積極的にその失敗を受け入れ、成長するための機会としています。

人間ですからミスをゼロにすることはできませんし、重要な案件でミスをしてしまえばどうしても凹んでしまうものです。


しかし、上記のように失敗の種類に応じで適切な対応をとりそこから得られる「学び」にフォーカスすることが、ミスをしたことで自分が負った心理的ダメージから速やかに回復することを促し、レジリエンスを高めることにつながるのです。


正義感との向き合い方について

また、レジリエンスの高い人は、自分の正義感とも適度な距離をとっています。実を言うと、正義感とは実に厄介な感情なのです。 「それはアンフェアだ!」と憤っている時、人は「べき思考」に支配され、自らを批判することなく攻撃的な感情を撒き散らしています。


この時、怒りに身を任せている本人は「自分は正しい」と思い込んでいるため、相手の主張を受け入れる余地は一切なく、問題解決のための建設的な対話や価値観の歩み寄りが非常に困難になります。


正義感というのは「快楽感情」であり、私達は正義感に燃えて誰かを非難している時、前頭葉が興奮しています。これは「性的興奮」と非常に似ている刺激であり、コントロールしにくいのです。こうした強い感情は過去の体験からの刷り込みによって引き起こされています。 対応の初手は「ちょっと待て、私はいま『正義感』に囚われていないかな」と自覚し、認めることです。

このあたりは以前お伝えした「陰性感情のマネジメント」と同様ですね。


度重なる部下のミスに思わずカッとなり思わず「懲らしめてやる!」と心のなかで思った経験のある方もいらっしゃるかもしれません。そんな時はまず、あなた自身が正義感情に囚われていないかを自問したうえで、さらにそのミスが上記の3つのうちにどれかを分類してみることをおすすめします。

不必要に激情の渦に巻き込まれるストレスから守ってくれる効果があるでしょう。 



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鈴木 裕介

ハイズ株式会社 事業戦略部長 日本内科学会認定内科医 2008年高知大学医学部卒業。一般内科診療やへき地医療に携わる傍ら、高知県庁内の地域医療支援機構にて広報や医師リクルート戦略、 医療者のメンタルヘルス支援などに従事。2015年より現職。

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