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2016.06.23健康術

賢い人ほど抗生物質を避ける理由

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5年間で抗生物質を半分に

厚生労働省は今年4月、日本での抗生物質の使用量を2020年までに3分の2に減らすアクションプランを発表しました。

かなり前から日本全体で抗生物質が乱用されている実態があり、国際的にも非難され続けてきたことですので、今回やっと国が本腰を上げてこの問題に取り組み始めたということになります。

特にクリニックや病院外来を風邪で受診する度に気軽に処方されている経口抗生剤(抗生物質の飲み薬)は5年間で半減させることを目標に厳しく制限をかけていく方針です。


抗生物質は熱を下げる薬?

外来での診療をしていると患者さんからよく耳にするのが「熱を下げたいので抗生物質を下さい」という言葉です。

はっきり言いますが、これは完全に間違った理解です。 そもそも熱は体が外敵と戦うためにあえて産生している生体反応だということもあるのですが、少なくとも熱を下げる薬は抗生物質ではなく、抗炎症薬と呼ばれる薬です。

抗生物質とは、ある特定の菌類のみを狙って攻撃する治療薬という理解が正しいのです。


ウイルス感染と細菌感染

今回の話の一番大事な部分です。

人が風邪症状と共に熱を出した場合、その原因は大きくウイルス感染と細菌感染に分けられます。 一般的には風邪症状の90%以上がウイルス感染によるものであり、医療者は診察によってウイルス感染か細菌感染のどちらなのかを判断しています。 もし細菌感染が疑われればその細菌を攻撃するのに適した抗生物質が必要になりますが、それがウイルス感染の場合には抗生物質は全く効果がありません。

効果がないどころか、体を守っている善玉菌を巻き添えにしてしまうため、風邪が治るのをむしろ邪魔していることになります。


大型爆弾が本当に必要か

適切かどうかは分かりませんが、医療者の間でよく「抗生物質は闇雲な爆弾」という表現がされます。

抗生物質は都合よく狙った菌だけを攻撃することができず、人の体に住み着いて働いている多くの菌を無作為に死滅させてしまうのです。

また普段から抗生物質を多用していると、次第に薬の効きにくい菌ばかりが体に増えて残ってしまい、本当に必要なときに治療ができなくなる恐れもあります。


自分の体がこのような耐性菌ばかりの棲家にならないよう、抗生物質は必要なときのみに限定し、きれいな細菌叢を守っていくことが、いつも元気で活躍できるビジネス健康術と言えるでしょう。



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内藤 祥

東京ビジネスクリニック院長 北里大学医学部卒(M.D.) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒(MBA) 沖縄県立中部病院で救急医療をトレーニング 沖縄県立西表西部診療所で離島医療を実践 専門は総合診療

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