DOCTORビジネス健康術
一覧へ戻るこんなにすごい! 朝一杯の水の力
年末は仕事が忙しいうえに、夜のお付き合いでアフターファイブもフル稼働の方も多いと思います。
激務や暴飲暴食で生活リズムが崩れている人もたくさんいるでしょう。
しかし、リズムが乱れやすい年末だからこそ、来年に向けて良いスタートを切るためにも意識して体調に気を配りたいものです。
そこで、分かりやすい体調のバロメーターとして、便通があります。
毎日快便ですと、気持ちもすっきりします。生活リズムが乱れ始めている人は、まずは便通のリズムから修正していきましょう。
朝の一杯の水で胃結腸反射を呼び起こそう
生活リズムが乱れると、多くの場合、便通が乱れます。
便通の乱れが続くと便秘になり、腸内環境が悪化し始めます。
お腹の調子がすぐれない、お腹が張った感じが続くといった症状が出始めます。
そうなると、仕事をしていても便秘のせいで集中できずに、パフォーマンスの低下にもつながります。
そこで、定期的に同じ時間帯にきちんと便通を促して便秘を避けるために、「朝のコップ一杯の水」が効果的です。
目覚めてからすぐにコップ一杯の水を飲むことが、“胃結腸反射”を促進して便通へと導いてくれます。
人が眠っている間は胃や小腸、大腸などの消化器も休んでいます。
朝目覚めた時点では、まだ消化器も寝ている状態です。 そこで、起きがけに水を飲むことで、からっぽの胃腸に刺激を与えるのです。
胃の中に水が入ってくると、胃が膨らみます。そうすると次に、胃から大腸に信号が送られ、大腸が動き出します。腸の中で溜まっている便を直腸に送り出そうするのです。これが胃結腸反射です。
コップ一杯の水を飲むことが、まさに呼び水となって、便意が生まれるのです。便秘で悩んで日中の仕事のパフォーマンスが低下気味の方は、手軽に出来てかつ経済的ですので、試してみて下さい。
便通以外にもこんなメリット
胃結腸反射が起こるということは、消化器が目を覚ましています。
つまり、食べ物の受け入れの準備が出来ているのです。
準備万端のところに朝食が入っていくと、スムーズな消化吸収が進んでいきます。
ハイパフォーマンスを出すことを求められるビジネスパーソンは、1日の始まりに好スタートを切る必要があります。
そのための大切なエネルギーを補給するための朝食ですので、栄養素を効率的に摂り込んでいきましょう。
また、1日に人は約2リットルの水分を飲料や食物から吸収し、同じ程度の水を尿や汗、呼吸で体外に出しています。
当然ながら、夜、眠っている間にもどんどん失われていきます。しかし、補給はされていません。
つまり、朝目覚めた時点では、水分バランスにはかなり偏りがあるのです。この偏りが顕著ですと、脳の血管や心臓の血管が詰まりやすくなります。
この偏りを早めに是正するためにも、起床してからすぐのコップ一杯の水は有効です。
これから寒さが厳しくなってきます。そうなると、水を飲むことに抵抗がある方も多いかもしれません。
その場合は、白湯がおすすめです。
朝は、これから活動しようと体が温まっていくスタートの時間です。
その時に、白湯で胃腸から温めるのも効果的です。もちろん胃の中に入るので、胃結腸反射もばっちりです。
水でも白湯でも、飲みやすい方で構いません。
朝のコップ一杯の習慣から胃腸のリズムを整え、ビジネスのリズムもつかんでいきましょう。
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裵 英洙 (はい えいしゅ)
外科医、病理専門医として勤務医時代を過ごした後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)で医療経営・ヘルスケアビジネスを学ぶ。在学中に、医療コンサルティング会社を設立。現在も臨床業務をこなしながら、医療機関経営コンサルティング・ヘルスケア企業アドバイザリー・ヘルスケア系ベンチャー支援業務などを行っている。『なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか』(ダイヤモンド社)など著書多数。