DOCTORビジネス健康術
一覧へ戻る脇汗の悩み、ひとりで抱え込まないで
はじめに
仕事や日常生活で「脇汗が気になる」「汗ジミが心配で服選びに悩む」といった経験は多くの方が持っています。脇汗の悩みは、生活の質(QOL)に大きな影響を与えることもあります。脇汗の悩み、こんなことありませんか?
•仕事や勉強に集中できない
•汗ジミが気になり、好きな服が着られない
•電車で吊革を持つときに脇が気になる
•一日に何度も着替え、シャワーを浴びる
•制汗剤が手放せない
こうした悩みは決して珍しくありません。
脇汗は「病気」?——腋窩多汗症とは
脇汗が「体温調節に必要な量を超えて」多く出ることで、日常生活に支障をきたす場合は「腋窩多汗症」と呼ばれます。医学的には、特に明らかな原因がなく6ヵ月以上続き、いくつかの診断基準に当てはまる場合に診断されます。
受診をためらう必要はありません
「病気というほどではない」「相談しづらい」と受診をためらう方もいますが、脇汗の悩みは多くの人が抱えており、美容皮膚科だけでなくいつもの皮膚科でも受けられます。
治療法と対策
脇汗(多汗症)にはさまざまな治療法やセルフケア方法があり、症状やライフスタイルに合わせて選択できます。特定の方法に偏ることなく、複数の選択肢があることを知っておきましょう 。
<主な治療方法>
•外用薬・内服薬
医師の診断のもと、外用薬や内服薬が処方されることがあります。漢方薬が使われる場合もあります。
•注射療法
局所的な注射による治療も選択肢のひとつです。
•イオントフォレーシス療法
専用の機器で微弱な電流を流し、発汗を抑える治療法です。
•外科的処置や手術
重症の場合には手術が検討されることもありますが、一般的には他の治療法が優先されます 。
<セルフケア・日常生活での工夫>
•食生活の見直し
辛いものやカフェイン、アルコールは発汗を促進するため、摂取量を控えることが有効です。
•衣類の工夫
通気性の良い素材や汗を吸収しやすい下着を選ぶことで、不快感を軽減できます。
•ストレス管理・リラックス
ストレスや緊張は発汗を増やす要因となるため、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。
•十分な睡眠と適度な運動
生活リズムを整えることで自律神経のバランスが保たれ、発汗のコントロールにつながります。
まとめ
脇汗の悩みは決して特別なものではなく、多くの方が経験しています。セルフケアや生活習慣の見直しで改善が期待できる場合もありますが、症状が強い場合は専門医に相談することも選択肢のひとつです。治療法にはさまざまな種類があり、自分に合った方法を見つけることが大切です。
(記事監修 :日本専門医機構認定 皮膚科専門医 マルホ株式会社シニアメディカルディレクター 生駒晃彦)



コンビニ・レストラン・居酒屋