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2025.05.20健康術

巻き爪を放置していませんか?

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巻き爪は放っておいても良くなりません。「爪の痛みくらい大丈夫」とガマンせず、早めの対処が大切です。


転倒、運動不足 足の爪は歩くために重要なもの

足の爪には指の腹側が地面から受ける力を上から支えるはたらきがあり、歩くときに力を入れたり、バランスを保ったりするために重要な役割を担っています。爪に巻き爪のようなトラブルを抱えたままでいると、つまずいて転びやすくなったり、歩く量が減ってしまうなど運動不足を招いたりする可能性があります。


爪の痛みをかばって歩いていると… タコ・ウオノメ、膝痛の恐れも

爪のトラブルによって、歩き方が変化してしまうことも問題です。正しい歩き方とは、かかとで着地した後に、足の小指の付け根から足の親指の付け根へ、最後に足の親指へというように、スムーズに体重移動がおこなわれるものです。


ところが爪の周りの痛みをそのままにしていると、足の指をかばうために正しい歩き方ができなくなってしまいます。すると足の指に加わるはずの力が他の場所に集中してしまい、タコ・ウオノメや筋肉痛など、さらなるトラブルを引き起こします。さらには足首や膝にも大きな負担がかかるため、関節の病気を悪化させてしまう可能性もあります。


巻き爪が悪化すると、爪の周りの皮膚が炎症を起こす「爪囲炎(そういえん)」や、爪が皮膚に食い込んでしまう「陥入爪(かんにゅうそう)」を発症することがあります。このような場合には、腫れや赤みを伴う炎症によって痛みがより強くなりますし、傷から化膿(細菌感染)を起こしてしまうこともあります。このように、足の爪のトラブルを放置していると、より症状が悪化してしまうことが多いのです。



巻き爪は自然治癒する?

初期であれば、爪の切り方を改めたり、靴を変えたりするなどの対処によって症状が改善する可能性があります。しかし多くの場合、巻き爪は容易には治りません。爪のトラブルは、爪だけでなく足全体または全身の問題ととらえることが大切です。巻き爪を痛いままで放っておくのではなく、セルフケアを行って、それでも問題がある場合には早めに皮膚科クリニックなどの医療機関を受診しましょう。


覚えておきたい「正しい爪の切り方」

巻き爪などのトラブルがある場合に、特に気を付けたいのが爪の切り方です。間違った爪切りをしてしまうと、痛みや出血などを引き起こし、症状が悪化する可能性があります。また、普段から爪の長さや形を良い状態に保つことで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。正しい爪の切り方をぜひ身につけておきましょう。


足に使う爪切りは直線刃を選ぶ

爪切りのタイプには、一般的に普及している「平形(テコ型)爪切り」と、工具のニッパーのような形の「ニッパー型爪切り」があります。医療機関では、爪と刃の位置を確認しやすく厚く硬い爪でも切ることのできるニッパー型爪切りが主に使われていますが、ご家庭では平型爪切りが使われているケースが多いようです。

また、どちらのタイプの爪切りにも、刃の形状がと直線状のものと曲線(カーブ)状のものがあります。カーブ刃のものは爪の先を丸い形に整えるのには向いていますが、足の爪用としては、まっすぐに切れる直線刃の方が適しています。



足の爪の形は「スクエアオフカット」

爪を切る前に、出来上がりをイメージしましょう。足の爪の長さは指先と同じくらいにそろえ、全体的な形は角に少し丸みのある四角形に整えるのが理想的です。このような形を「スクエアオフカット」といいます。

このような形に整えるためには、爪切りで端から端までまっすぐに切ったあと、両端の角だけを少し落とすようにします。爪の先の白い部分(遊離縁)は残っていてかまいません。巻き爪の場合には、爪切りを持った手を爪のカーブに合わせて回転させながら、少しずつ切るようにします。

仕上げに軽く爪ヤスリをかけて、切った面をなめらかにするとより良いでしょう。

短く切りすぎた「深爪」や、端を斜めに深く切り込んだ「バイアスカット」は避けましょう。陥入爪(かんにゅうそう)の原因となるほか、爪が短すぎる状態が続くと、巻き爪や厚い爪などの変形が起こる可能性もあります。反対に長すぎる爪はどうでしょうか。これも靴による圧迫など余計な力を受けやすいため、痛みや変形が生じる原因になります。足の爪には歩く時に強い力が加わるので、ちょうど良い長さと形にいつも整えておくことが大切なのです。

爪を上手に切るためのポイントは3つあります。
1.爪と刃の位置関係をしっかり確認しながら切ること。まわりの皮膚をうっかり切ってしまうことのないよう気をつけましょう。
2.刃先を使って少しずつ切るようにすること。一度に大きく切ろうとすると爪が思わぬ方向に割れてしまうことがあります。
3.切り残した部分がないように、最後まできちんと切ること。切り残した爪はトゲのようにとがっていて、皮膚を傷つける原因になります。



爪が伸びる速さには個人差がありますが、おおよその目安は研究により明らかになっています。米国ノースカロライナ大学の研究グループの調査によると、若い成人の1か月あたりの爪の伸びは、手指では約3.5mmに対して、足の親指の爪は約1.6mmと遅くなっています。また、爪が伸びるスピードには季節による変化があり、夏に最も速く、冬には遅くなることが知られています。爪をこまめにチェックし、いつもちょうど良い長さに整えておきましょう。

巻き爪を治療して、爪の形が正常に近い状態を維持しましょう

巻き爪による痛み・変形は、ともに治療によって改善することができます。しかし治療後に時間が経過するにつれて、再発することが多い状態であると言えます。したがって巻き爪の治療方針には、まず速やかに痛みを取り除き、爪の形を正常な状態に近づけること、さらにその状態を維持するためのセルフケアを行うことが欠かせません。足のケア・靴の選び方などを生活習慣として続けることで、できるだけ良い状態を長く維持していくことをおすすめします。

(記事監修:ひかり在宅クリニック皮膚科 今井亜希子先生)


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