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一覧へ戻る結局のところ、昼寝は是か非か?
仕事をしているとランチ後や午後の昼下がりに眠気が襲ってきます。多くのビジネスパーソンの共通の悩みとして、午後の眠気があります。眠い目をこすっての会議や眠気と戦いながらのパソコン作業、または車での営業回り。辛いだけでなくミスにもつながります。
このようなビジネスパーソンから「昼寝の是非」についてよく質問されます。
結論から申しますと、“条件付き”「是」です。“条件付き”とした理由をご説明しましょう。
生物学的な魔の時間
人には生体のリズムがあります。例えば、朝に体温が高くなり夜に低くなるサイクル。
このようなリズムが眠気にもあるのです。通常の生体リズムで生活していますと、1日のうちに2度、眠気のピークが訪れると言われています。
最大のピークは夜中の2時~4時で、眠りが最も深くなる時間帯です。
そして2つめのピークが、お昼の2時~4時です。そう、多くのビジネスパーソンが悩む“魔の時間帯”なのです。つまり、この時間帯の眠気は生体リズムが一因なのです。
また、食事をとると血糖値が上がり、目を覚ます働きがある「オレキシン」というホルモンの濃度が下がります。この影響で覚醒の度合いが下がり、眠くなります。つまり、ランチと眠気にも関係性があるのです。
目指せ! 昼寝推奨上司
このダブルパンチはかなり強力です。これらの力に屈せず、眠い目をこすりながら気合で仕事を続けるのは美談かもしれませんが、やはりパフォーマンスの低下は避けられません。
ランチを食べて午後2時くらいになると、人には自然と睡魔が襲ってきます。
もし読者の皆様が部下を持つ上司なら、「昼間の睡魔に負けるとは気合が足りない!」と精神論で頭ごなしに否定するのではなく、仕事のパフォーマンス向上を最優先にして、少し昼寝を認めるくらいの科学的見解に基づいた度量を見せることもありかもしれません。
特に、車の運転や機械の操作など身体上の危険につながりかねない業務を行う部下をお持ちの場合は、眠気のコントロールは大切なポイント。
上司の皆様、午後からのパフォーマンス向上のため、ぜひ「昼寝推奨上司」になってください。
さて、“条件付き”の条件とは、昼寝するタイミングと昼寝継続時間です。
タイミングは午後2時頃に強い眠気が生じますので、その時間の前後を利用して昼寝をとるのが最善でしょう。また、長い時間の昼寝をしてしまうと脳は熟睡するモードに切り替わってしまいます。
起床後も慢性的な眠気が続いてしまう恐れもあるため、時間を決めての昼寝が決め手なのです。
目安は20分くらいです。遅すぎる昼寝と長すぎる昼寝は体内リズムが乱れる原因にもなり、昼夜逆転の生活を招いてしまう可能性があります。
昼寝は短時間なら効果的ですが、寝すぎると逆効果になるのです。さらに、昼寝の前にカフェインをとっておくと、さらに目覚めがスッキリします。カフェインの効果発現には30分ほどかかりますので昼寝後よりも前に飲んでおくのがよいでしょう。

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裵 英洙 (はい えいしゅ)外科医、病理専門医として勤務医時代を過ごした後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)で医療経営・ヘルスケアビジネスを学ぶ。在学中に、医療コンサルティング会社を設立。現在も臨床業務をこなしながら、医療機関経営コンサルティング・ヘルスケア企業アドバイザリー・ヘルスケア系ベンチャー支援業務などを行っている。『なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか』(ダイヤモンド社)など著書多数。


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