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2015.04.14ピックアップ

本当に良い病院の選び方 【第2回】

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偏ったクチコミしか出てこないときは注意

病院選びで最も参考にするのは「クチコミ」だという人も多いと思います。

たしかに自分が信頼できる人や、同じような疾患経験のある人の話というのは気になりますし、参考にできるものがあるのも事実。ですが、医療に関してはクチコミやみんなの評判が正しいとは限らないということを知っておかなければなりません。

こんなデータがあります。

60歳以上の人口に対する都道府県別の変形性膝関節症の人工膝関節置換術(TKA)の施行率を調べたところ、沖縄県が最も高く284.0人/10万人で、全国平均の63.5人/10万人の約4倍、最も低い島根県の17.9人/10万人の約15倍もの数字が出ました。(第5回日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会2013年)


関節の軟骨が磨り減り、さらに骨が変形し痛みを生じる変形性膝関節症そのものは、厚生労働省の推計でも自覚症状を持つ人で約1000万人、X線診断による潜在的な患者数は約3000万人とも言われ、中高年以降の人ではかなり一般的な疾患のひとつ。

保存的治療としては、消炎鎮痛剤の内服や関節内注射でヒアルロン酸を注入するといった薬物療法、あるいは温熱療法や運動療法などの理学療法などがあり、外科的治療でも関節鏡視下手術や人工膝関節置換術など、さまざまな治療法があります。

それなのに、沖縄県だけが突出して人工膝関節置換術の割合が高く、他の治療法がほとんどされず、患者さんのクチコミでも「変形性膝関節症は人工膝関節置換術で治す。それならA病院がいちばんだ」という話が圧倒的に多く出ていました。

そういった状況でクチコミを参考にすると「ほんとうに、その病院での治療が自分の疾患に合っているのか。QOL(生活の質)や費用などもふくめ、自分が望んでいるものになるのか」ということを確かめることができません。

これは、明らかに特異な状況です。なにしろ、その地域では他の治療法の選択肢がなく、特定の病院での外科的手術のクチコミしか出てこないわけですから、判断のしようがない。もしかしたら、自分の場合は外科的治療ではなく、保存的治療のほうがいいかもしれないのに、ほぼ自動的に「手術がいい」という話になってしまっています。

じつは、こうした現象はマーケティングの世界では「イノベーター理論」として説明されるものです。ある商品やサービスに対してイノベーター(革新者)、アーリーアダプター(初期採用者)となる市場全体の16%の層が態度決定することで、一気にその後ろの層である大多数の人たちに浸透していくというもの。

つまり、沖縄県の人工膝関節置換術のケースでいえば、すでにシェア率が16%を超えているために、人工膝関節置換術の患者が患者を呼ぶという状態になり、他の治療法のクチコミがほとんど流通しない(=選択肢として出てこない)ようになっているわけです。

クチコミとは上手に付き合う

クチコミというのは、あくまで外部情報のひとつ。そこにあまりに重きを置きすぎるのは、判断の重心を狂わせることになります。

ラーメン屋さんであれば、クチコミに乗って行列に並び、結果的に「スープが好みに合わなかった」「サービスが良くなかった」とがっかりしても、残念だったということで済むかもしれません。

ですが、病院選びの場合は、クチコミを信じて失敗することは「残念」では済まない問題です。
病院選びのクチコミの情報があれば、それが信頼できるものか、その裏づけとなるデータも参照して納得できてから行動すべきでしょう。

ある大学病院の医師が言っていましたが、腰痛で外来を受診する患者さんの場合、ほんとうに整形外科で扱うべき疾患は3割ほど。7割は自律神経の問題なのに、それらの患者さんまでクチコミを信じて外科手術をしてしまっているケースが多いのです。


クチコミ情報は、きちんとしたデータを一緒に参照して判断のバランスをとることが大切だと医師の側も指摘しているということです。たとえば、外来を受診する患者さんで常にいっぱいの大学病院のクチコミで「医師が忙しくて話を聞いてくれない」というものがあったとしたら、みなさんはどう考えるでしょうか。

「やはり人気の外来だから、おざなりな診察をされるのか」と、早合点してしまうかもしれませんが、本来は大学病院の人気外来であれば、一次医療施設から紹介状と共に何らかのデータなども持って受診するわけですから、いきなりゼロから話を聞いてもらう場所ではないという理解も必要です。

そのうえでクチコミだけで判断せずに「まず行ってみる」ということも大切。実際、大学病院の医師の中には、毎日、多くの外来患者の対応に追われて「人間味のある対応をしたくてもできない」と嘆く医師もいます。医師も人間ですからオーバーフローになれば、医師として最低限の職務を果たすことで精一杯になり、患者が望むような対応をしたくてもできないということもあるでしょう。

そういったケースであれば、まずは外来に出向いて、その医師が信頼できる自分の近隣の診療所(クリニック)を紹介してもらうというのもひとつの方法。
やはり、技術のある医師であれば、同じように技術のある医師とのつながりを大切にしていることが多いので、そこでの紹介状をもとに納得できる診察をしてもらうということも考えてみるといいと思います。 

また、クチコミで「いい先生があの病院にいる」と知ると、その病院に患者さんが集中することがありますが、実は、その医師は同じ病院だけで診療をしているとは限りません。

大学病院で診療をしている医師が、その病院のサテライトクリニックでも診療を行っていることがあるのです。手術も同様。大学病院だけでは手術室の数が足りないため、サテライトとなる病院を回って医師が手術を行うケースもあります。

ですから、クチコミで患者さんが集中する病院だけでなく、そうしたサテライトの病院を受診するということも選択肢として知っておいたほうがいいでしょう。

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