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一覧へ戻る社会人なら知らないと恥ずかしい「咳エチケット」とは

その咳、不快に思われていませんか
気温と湿度が最も下がる1月、インフルエンザをはじめ様々なウイルス感染が大流行しています。
電車や職場など人の集まるところに行くと、あちこちで咳をしている人ばかりで、中にはマスクをせずに口に手も当てずに咳き込んでいる人も見かけます。
咳をするのはウイルス感染時の生理現象ですので、もちろん仕方のない行為です。ただその咳が、周囲にウイルスを撒き散らしているという自覚は必要でしょう。
人混みで周りを気にせず咳をすることは、タバコを吸う、大声で電話する、などと同様の迷惑行為だと認識して下さい。
あなたはいくつできていますか
インフルエンザの大流行をきっかけに、2004年よりアメリカではこのような迷惑行為を認知させるために「咳エチケット」という概念を創り国を挙げて周知する方針を打ち出しています。
日本でもこれに倣い2007年より厚生労働省が同様のキャンペーンを始めました。
「咳をするときの心遣い」といったところでしょうか。
エチケット1:咳やくしゃみをするときは、ティッシュやハンカチなどで口と鼻をおおう。
エチケット2:使用したティッシュはすぐにフタ付きのゴミ箱に捨てる。
エチケット3:咳などの症状がある場合は、人がいるところではマスクをする。
エチケット4:食事の前や、トイレ・外出後はもちろん、咳やくしゃみをした後も、よく手を洗う。
どれも言われれば当然のことのように感じますが、実際にすべてきちんと実行できている人は少ないはずです。
意外とできないマスクの正しい着用
咳エチケットを実践する中で、もっとも簡便で効果的なのが、人の集まる場所でのマスク着用です。
しかし電車内で見回すと、マスクをつけているものの、きちんと使用できていない人も目立ちます。
よく見かけるのが、鼻が出ていたり、顎が出ていたりするものですが、これではマスクの効果は半減します。鼻と口の両方を確実に覆う、そして鼻の脇に隙間ができないように覆うことがポイントです。
マスクとは、自分がウイルスをもらわないようにするために使っている人が多いと思いますが、むしろ自分のウイルスを周囲に撒き散らさないための心遣い(=エチケット)としての役割が重要なのです。
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内藤 祥
東京ビジネスクリニック院長
北里大学医学部卒(M.D.)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒(MBA)
沖縄県立中部病院で救急医療をトレーニング
沖縄県立西表西部診療所で離島医療を実践
専門は総合診療