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2016.12.22健康術

胃腸炎は食あたりにあらず

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もしも急に嘔吐が始まったら

冬至を過ぎていよいよ冬も本番。

この時期にインフルエンザと並んで大流行し問題になるのが、ノロウイルスです。

胃腸炎を起こすウイルスは数々ありますが、日本だけでも毎年1000万人もがこのノロウイルスに感染すると言われ、感染力や症状の強さなどから最恐のウイルスと言われています。

突発的な激しい嘔吐、あるいはトイレから離れられなくなるほどの頻回の下痢、冬の時期にこのどちらかの症状が始まったら、それはもうノロウイルス性胃腸炎の可能性が非常に高いと言えます。

なぜなら、大人でこれほどの激しい症状を起こすウイルスは他には見当たらないからです。


食べ物よりも、人の手から拡がります

患者さんの多くは、お腹を壊すと食べ物に当たった(=食あたり)のだろうと考えて受診されます。

しかしこのノロウイルスを始めとした胃腸炎は、食べ物そのもののみならず、汚染された食材を調理した包丁やまな板、調理に使用する水を介してでも感染します。

また症状のある人の体液にウイルスが多く排出されており、実は人間の手を介してのヒト-ヒト感染が最も頻度が多いのです。

ウイルスの保持者が触った物には、ノロウイルスが半日程度も生きたまま残っているとも言われており、乾燥した環境でも死滅しないノロウイルスは非常に拡散しやすくなるのです。


消毒、加熱、手洗い、何が一番大事?

ノロウイルスはとにかく予防が難しいことで有名です。

まず一般的なウイルス予防として用いられるアルコール消毒や薬用石鹸などは、このウイルスにはほとんど効果がありません。 熱にも非常に強く、85℃以上の煮沸にも数分間は耐えると言われています。


予防ワクチンの開発が待たれるところですが、現在は皆無です。

唯一、塩素系消毒薬(漂白剤)が予防に有効との報告もありますが、手指消毒に使用するには刺激が強すぎるため積極的には推奨できません。


現在有効な予防手段といえるのは、水道水で30秒以上手洗いをしっかり行い物理的にウイルスを洗い流すこと、そしてとにかく感染者との接触を避けることしかありません。


よって企業での集団感染を予防するためには、早期の隔離措置が必要となります。

従業員に突発的な嘔吐や下痢の症状があれば必ず報告させ、ノロウイルスが疑われた時点ですぐに早退、急性症状が治まるまでは隔離目的に病休させることが、部署内での感染拡大を防ぐ最大の対策方法なのです。


インフルエンザに対するリスク管理は周知度も上がってきていますが、このノロウイルスも冬の最恐感染症の双璧ですので、この機会に自分の会社での感染管理をぜひとも振り返ってみて下さい。



AUTHOR
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内藤 祥

東京ビジネスクリニック院長

北里大学医学部卒(M.D.)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科卒(MBA)
沖縄県立中部病院で救急医療をトレーニング
沖縄県立西表西部診療所で離島医療を実践
専門は総合診療

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