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2016.02.25健康術

良い上司は部下の睡眠にも気を配る

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徹夜は当たり前で、睡眠時間を削って仕事を頑張るようなモーレツ社員がもてはやされた時代もありました。

中には、睡眠時間が少ないことを自慢げに語る社員もいたと聞いています。

しかし、これからは生産性の時代です。仕事の質、つまり、単位時間あたりのパフォーマンスを意識していく時代だと思います。

部下を持つ上司は、育成にあたって“仕事の質”をいかに向上させるか、という視点が必要となってきています。


上司の皆さん、部下の睡眠に口を出していますか?

部下の睡眠時間をしっかりと把握している上司は少ないと思います。

部下の睡眠はプライベートのことと割り切ってしまうのではなく、部下を含めチームのパフォーマンスを考える際に、体調管理は基本となります。


体調の良し悪しを決定づける要因で大きなウェイトを占めるのが睡眠です。

睡眠不足は間違いなく仕事のパフォーマンスを低下させます。集中力の低下、記憶力の低下、思考力の低下が、仕事に直結します。

例えば、部下の提案書のミスが目立つ場合、「もっと気合入れて頑張れ!」と根性論だけで押し切るのではなく、その原因分析の一つに部下の睡眠の切り口を入れてみて欲しいのです。


もし、睡眠時間が足りておらず仕事のパフォーマンスが上がらないのなら、仕事の量そのものが多いのか、仕事を片づける効率が悪いのか、どちらかが考えられます。

また、睡眠時間は十分に摂っているものの、睡眠の質が悪かったり、夜中に何度も目覚めたりと、じっくり眠れない理由が他にあるかもしれません。


部下のパフォーマンスが低下する原因はたくさんありますが、その可能性を挙げて、アドバイスするのも上司の仕事に含まれます。

仕事の量が多く睡眠不足に陥っているのならそれを可能な範囲で調整したり、過度なプレッシャーで夜間覚醒が多いのならその点をケアしてあげる。このような気配り心配りも部下のパフォーマンスに影響します。


朝の挨拶では「おはよう!」と多くの上司が部下に挨拶していると思いますが、そこに一言「おはよう!よく眠れたか?」と聞いてあげてください。

特に、一人暮らしで生活スタイルのバランスが乱れがちな部下がいる場合は、上司が生活のケアまで心配りし、仕事のパフォーマンスへの影響を考える姿勢も重要です。

過度にプライバシーに踏み込むとパワハラになりますが、「ぐっすり眠れているか?」と生活スタイルに心配りする程度は大切です。


周囲に楽しいことがあったり、ついつい頑張りすぎたりすると、睡眠時間は簡単に削られてしまいます。

自分で意識していないと、生活時間のうち最初に削られやすいのが睡眠となってしまいがちです。

部下が自ら気付きにくいところを意識的にケアして、仕事のパフォーマンスは生活の質から、と伝えていくことも上司の大切な気配りだと思います。



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裵 英洙 (はい えいしゅ)

外科医、病理専門医として勤務医時代を過ごした後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)で医療経営・ヘルスケアビジネスを学ぶ。在学中に、医療コンサルティング会社を設立。現在も臨床業務をこなしながら、医療機関経営コンサルティング・ヘルスケア企業アドバイザリー・ヘルスケア系ベンチャー支援業務などを行っている。『なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか』(ダイヤモンド社)など著書多数。

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