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2015.10.15健康術

その頭痛、本当は「うつ」が原因かもしれません

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ビジネスパーソンとして、心身ともに健康を保ち安定したパフォーマンスを出していくことはとても重要です。しかし、多くの方は時に頭痛などの身体の不調を抱えながら日々の業務に携わっているのではないでしょうか。


さて、今日は皆様に頭痛と「うつ」の関係についてのお話をさせていただきたいと思います。


「朝の頭痛」、実は「うつ」のサイン?

「二日酔いでもないのに、朝起きた時からやけに頭が痛い…」―そんな経験をお持ちの方はいますでしょうか?


ヨーロッパ5カ国で約2万人を対象にした研究調査で、「朝に頭痛があった人のうち約3割はうつ病だった」という報告があります。うつ病は「こころの病気」と思っている方が多いと思いますが、実はうつ病と診断される方の約7割が最初にかかるのは「内科」なのです。

最初から「精神科」や「心療内科」にかかる人というのは全体の1割にも満たないのです。うつ病とは「心の症状」よりも頭痛などの「身体の症状」が先行する病気であり、中でも頭痛はうつ病の身体症状として、とても典型的なものなのです。


他にもうつ病による身体の症状とはどんなものがあるのでしょうか? 以下のデータをご覧ください。


うつ病における身体症状の出現率

不眠・睡眠障害 80-100%

食欲不振 50-90%

体重の減少 60-70%

胃痛・腹痛 約40%

頭痛・頭が重いなどの症状 50~90%

めまい 30~70%


不眠などの睡眠障害はほぼ必発であり、眠りについても短い時間ですぐに起きてしまう「中途覚醒」というパターンが典型的です。めまい、胃痛なども非常によくみられる症状です。

胃の痛みを訴えて胃カメラを希望して病院の内科を受診された方で、胃カメラでは胃潰瘍などの異常は全くみられず、問診をすすめていくと、実は「うつ病による胃痛」だったという若いビジネスパーソンを、筆者は何人も見てきました。

診断がついた時には「まさか、うつ病が原因だったなんて…」と皆さん驚かれていました。


「心の悲鳴」に敏感になるべし

これらの身体症状はいわば「心の悲鳴」であり、うつが悪化して生産性が下がる前にこうしたサインを早いうちから感じ取れることが肝要です。身体の症状から心のダメージを疑うことができるかどうかが、ビジネスパーソンとして長期にわたって安定した結果を出していくために必要なポイントといえるでしょう。


プロフェッショナルは自身の違和感にとても敏感です。

自分の体調をモニタリングして、「ひょっとしたら」と思ったらすぐに積極的に休養を取るべきです。

もし休んでも改善がみられない場合は、すぐに医療機関にかかりましょう。

心のダメージは「小火のうちに収めておく」のが基本中の基本であり、そのほうがトータルでの被害は圧倒的に少なくて済みます。 



AUTHOR
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鈴木 裕介

ハイズ株式会社 事業戦略部長
日本内科学会認定内科医
2008年高知大学医学部卒業。一般内科診療やへき地医療に携わる傍ら、高知県庁内の地域医療支援機構にて広報や医師リクルート戦略、 医療者のメンタルヘルス支援などに従事。2015年より現職。

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