DOCTORビジネス健康術
一覧へ戻る仕事のパフォーマンスを上げる血糖コントロール
私は以前、痩身外来のクリニックで栄養指導の仕事をしていました。
食事を改善することで感じられる体調の変化や、痩せていく過程での体のラインの変化にとても敏感な女性に比べて、男性は一般的に鈍感な傾向にあります。
食事を改善することは、体のラインだけでなく体の調子を大きく改善させることにも繋がります。
これは男女関係なく言えることです。
今回は、食事を改善してビジネスパーソンの仕事のパフォーマンスを上げる方法についてお伝えさせていただきます。
食事の際に血糖値を”保つこと”を意識する
仕事のパフォーマンスに大きく影響するのが血糖値です。
血糖とは血液中に含まれるブドウ糖のことで、体にとって最も重要なエネルギー源の1つです。
ブドウ糖は血液と一緒に体の隅々まで運ばれ、その濃度を表す値が血糖値と呼ばれています。
血糖値は下がりすぎるとイライラし、集中力がなくなります。
逆に上がりすぎると頭がぼーっとします。
血糖値は1日3食の食事スタイルを徹底したり、腹八分目で抑えたり、野菜から食べ始めるベジタブルファーストを実行することで一定に保たれ、体の調子も安定して仕事のパフォーマンス向上に繋がります。
パフォーマンスを上げるには朝食が重要
最近では朝食を抜く方も多いですよね。
脳のエネルギー源もブドウ糖です。
夕食後時間が経って体内に血糖値が枯渇している状態と、朝食を摂って体内に血糖値が満たされた状態では、後者の方が午前中のパフォーマンスが良いのはご想像の通りです。
朝食は必ず召し上がることをお勧めします。
昼食は量と質を見極める
昼食では腹八分目と食事内容が重要です。
昼食は朝食の影響を大きく受けます。
朝欠食すると下がりきっていた血糖値が昼食で一気に急上昇し、空腹のため満腹まで食べたくなってしまいます。
頭がぼーっとしたり、満腹まで食べて急上昇した分の血糖値が夕方に急降下してイライラしやすくなったり、妙な空腹感に襲われます。
これを防ぐために、昼食はベジタブルファーストを意識しましょう。
野菜がしっかり摂れるメニューや定食を選んで、ゆっくり噛んで食べる。
そして、腹八分目に出来ると良いでしょう。
炭水化物をたくさん摂取しがちな丼ものや麺類は出来るだけ避けて、血糖値を急上昇させないことがポイントです。
もし炭水化物中心の食事を満腹まで食べてしまった時には、10分程歩く時間を設けましょう。
歩くだけでも血糖値は下がります。
デキるビジネスパーソンは間食を味方につける
働き盛りなビジネスパーソンは、なかなか定時で帰れない方も多いのではないでしょうか。
間食の摂り方も気をつけるべき点があります。
お腹が空いたからといって、甘いお菓子やジュースに手を出してしまうと、血糖値が急上昇し、その反動で数時間後には急降下、また甘いものが欲しくなり…と悪循環になります。
よって間食する場合も、血糖値を意識してみましょう。具体的には2つあります。
1. 血糖値の上がりづらいナッツやミカン、おからのクッキーなどを選んで食べるようにする
2. 分食する。玄米おにぎりやライ麦のサンドイッチなどを夕食の主食として先に食べて、帰宅後におかずを食べる
※ 2の玄米やライ麦は、白米や食パンと比べて圧倒的に低GI食品(血糖値が急上昇しにくい食品)です。
具を入れることにより、更に血糖値の上昇が緩やかになります。
帰りが遅い場合は特に満腹になるまで食べないよう注意し、朝食を決して抜かないようにしてください。
このように血糖値のコントロール1つで仕事のパフォーマンスを大きく改善できます。
いつもの生活に少し意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。
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櫻井 麻衣子
管理栄養士、料理教室主宰、基礎心理カウンセラー
総合病院で献立厨房業務に携わった後、商社で営業アシスタントとして働きながら管理栄養士を取得。
その後心理学を学び特定保健指導や痩身美容外来で栄養指導に従事する。
美味しくて心と体に嬉しい料理の価値を多くの女性に伝えるため2017年に独立。
簡単に作れる美味しい料理で自炊の頻度を増やせる料理教室を主催。
レシピやコラム、食事カウンセリングなど幅広く活動している。
女性がよりキレイになれる簡単で美味しく、出来るだけ化学調味料などの添加物を使わないレシピを提案している。
ウェブサイト
https://maikosakurai3019.jimdo.com/
https://www.instagram.com/maikosac/