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2017.11.23健康術

知って得する医療に関わるおカネの話 その3

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季節の変わり目や、何かと忙しい年末年始など体調を崩しやすいシーズンが近づいて参りました。

どんなに気を付けていても体調は崩してしまうものです。
日々忙しく、移動が多いビジネスパーソンの皆様は「いざ」という時にどこの医療機関にかかったら良いか悩むことはございませんか。
今回はそういった悩みに日本の医療制度を学びながら知って得する情報をお届けします。

医療制度の特徴の一つ「フリーアクセス」とは


万が一のときに必要な医療制度の3つの特徴を体系的に確認していきましょう。

1.「国民皆保険制度」
日本国民は全ての人々がなにかしらの医療保険に加入しています。医療を受けるにはお金がかかりますが、一定の自己負担で受診出来るのはこの皆保険制度のおかげです。

2.「現物給付」
現金を支給せず、診察、薬剤、手術、看護などの医療サービスそのものを直接支給するということです。
例えば、仕事帰りに「風邪っぽいな」ということで職場帰りのクリニックにかかっても、そこでは保険での現金給付でなく、風邪治療という医療サービスを提供されます。これが現物給付です。

3.「フリーアクセス」
基本的にはどこの医療機関にかかるかはを自分で選択できます。
出張先でお腹が痛くなり見ず知らずのクリニックに行っても、きちんと診てもらえます。
日本に住んでいると当然のように思えますが、諸外国には、最初に診てもらう医師や医療機関が決まっており、緊急時を除いては、その医師の許可なく他の病院を受診することができない国もあるのです。

今回はこのうちの「フリーアクセス」について考えていきましょう。
みなさんは体調を崩された時にどこの医療機関を選ぶでしょうか。
普段、体調を崩さない方ならなおさら、いざといったときに悩んでしまうこともあると思います。
大きな病院や大学病院の方がなんとなく安心だと思う方も多いのではないでしょうか。

大学病院は高い?

コストにシビアなビジネスパーソンにはぜひ知っておいて頂きたいことがあります。
実は、大学病院や大病院の外来に直接かかる場合、診療費以外に5,400円が追加で請求されます。
これは初診時の「選定療養費」と呼ばれており、平成28年4月、大学や地域の中核となる大病院は、緊急を要する場合などを除いた、診療所や他の病院の紹介状が無い患者さんからは、診療費とは別に5,400円以上徴収することが義務化されました。
これは、保険によって一部負担で済む通常の診療費と異なり全額自己負担となるため想像以上に請求金額が大きくなります。軽い気持ちで大学病院を受診してしまうと意外に追加費用がかかってしまうのです。

なぜ、このような義務化が行われたのでしょうか。
医療機関にはさまざまな規模や種類があります。大学病院や大病院は緊急を要する症状の患者さんや、重い病気を持っている患者さんの診療を行うことが優先的な役割と考えられています。
軽症での気軽な受診やコンビニ受診を防ぐことが最終的には国民にとってメリットがあるという判断の基で実施されています。

ご自身が一刻を要する緊急時に、救急車で運び込まれた病院側が「風邪の患者さんを診ているのですぐに診察出来ません」という状態だったら困りますよね。
大病院では高度な医療を必要とする患者さんに医療を受けてもらいたいからです。

デキるビジネスパーソンなら、適切なコスト感覚と他の重症患者さんを優先するという大人の優しさの両方をしっかりと持ちたいですね。

賢い医療機関のかかり方

デキるビジネスパーソンにオススメの賢い医療機関の選び方をお伝えしましょう。
まずは家や職場の近くに、「かかりつけ医」となる診療所を見付けましょう。
何かあったらここにかかると決めておき、日頃の症状を把握しておいてもらいます。
専門的な検査や手術、入院が必要になった際には「かかりつけ医」から大学病院や大病院へ紹介してもらい、治療が終わればまた「かかりつけ医」の元へ戻る。

ビジネスで言うところの“お得意先”ですね。
お得意先ならある程度の融通がきいてタイムリーに対応してくれます。
お得意先でもかかりつけ医でも、普段からリレーションを築いておくとリスク回避や早期対応と言ったその後の様々なリターンが大きくなります。

備えあれば憂いなし、普段から「かかりつけ医」を探しておくことで安心かつ経済的に賢くご自身やご家族の健康を守りましょう。


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田中 利樹

ハイズ株式会社 医療戦略部長
横浜市立大学附属病院 医療経営アドバイザー
医療管理学修士
2002年明治大学法学部法律学科卒業。商社での勤務を経て医療経営の世界へ。亀田総合病院、聖路加国際病院において、経営企画、人事、人材開発の業務に従事。
2017年より現職。

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